|
1 はじめに
今年度は、これまでのパンジーの活動で作ってきた、知的障害を持つ人達が地域で自立生活を送るためのシステムを土台とし、当事者が社会の中で役割を持ち、一人の市民としての暮らしていけるように支援していくことと、3人の当事者が発足させた「かえる会」で決定した「職員だけで決めるな。そして、当事者同士もっと助け合おう」を具体的に実践することを課題としてきた。
そして、各部門に当事者リーダーをおき、活動方針は当事者と支援者で決める事とした。また、かえる会は、原則として週1回開催することとした。しかし、話し合う内容が多すぎたり、当事者や支援者が日常の活動に追われる現状の中で、各部門ごとの状況の違いはあるものの、当事者リーダーが役割として位置づいたとは言い難い。
そんな折り、8月に、当事者が理事長をしているスウェーデンのグルンデン協会に、当事者とともに研修に行ってきた。理事会や、生協方式の日中活動の場等を見学したり、当事者主体について意見交換をしたりするなかで、「当事者主体とは、ゆっくりペースである」ということを学び、パンジーを「ゆっくりペース」にするにはどうしたらいいかを話し合ってきた。そして、ゆっくりペースとは、当事者が自分たちで考え活動できるよう、情報提供の工夫を心がけたり、話し合いの時間を多く持つようにする事、また、話し合うことによって、当事者が活動の中味や流れを理解し、エンパワメントすることをめざす事であると定義した。
自立生活支援センター「わくわく」では、趣味を持つことを視野に入れたコーディネート、相談業務に当事者と職員のペアであたったこと、在宅障害者の地域交流ルームを始めたこと、大阪府が主催している知的障害者のピアカウンセラー養成講座で、当事者がリーダーを務め賃金を得ていること、親の長期の入院により、自閉的傾向を持つ人がグループホームでの生活を始めるにあたりプロジェクトをくんだ事などが特筆すべきことだろう。
しかし、一方で、当事者主体をすすめ、他の施設で受け入れ困難な在宅障害者の人たちを支援しながら、他方で、パンジーの利用者であった2名が、親の希望で新設の入所施設に措置されてしまったことは非常に残念なことであった。総括をふまえ、重度の人たちが、授産活動の中で充実した時間を持つことや、地域へ出ていくこと、自立生活をめざした内容をケア・プランに盛り込み、実践することとした。また、地域の当事者とつながり、ピープルファースト運動を広めることや、東大阪市の支援事業受託事業所を中心に、障害者の自立生活を支援するネットワークを構築することなどに向けて動き始めた。
2 創 思 苑 概 要
【新事業】 第2種社会福祉事業 グループホーム「はやぶさ」を開設。
【定款の変更】 @「第2種社会福祉事業」にグループホーム「はやぶさ」を追加する。
A社会福祉法人審査基準・定款準則等の改正に伴う定款の変更
【長期借入金】 返済については、社会福祉医療事業団よりクリエイティブハウス「パンジー」の設備資金借入金の2500万円のうち125万円を12月に返済し、残り1375万円になった。利息については66万7千5百円を返済した。それに伴い、大阪府社会福祉協議会より51万7千円の補助金がおりた。
また、クリエイティブハウス「パンジーU」設備資金借入金5000万円のうち、250万円を10月に返済し、残り4500 万円になった。
【理事会・評議員会】 第5期第3回(5月31日)、第4回(3月22日)を開催した。
3 クリエイティブハウス「パンジー」及び「パンジーU」
1.施設概要
●知的障害者授産施設(通所)クリエイティブハウス「パンジー」
<利用者>定員30名 退所者1名 入所者1名
<職員>施設長1名 事務員1名 調理員2名 指導員6名
●知的障害者授産施設(通所)クリエイティブハウス「パンジーU」
<利用者>定員20名 退所者1名 入所者1名
<職員>施設長1名 事務員1名 調理員2名 指導員4名
2.授産
<パン部門>
(1)メンバーについて
(地域へ)リーダーをたて、当事者同士で配達に行く人を決める作業を行ったことにより、配達、販売に行く当事者の片寄りが緩和された。多くの人がいろんなところに出ていく機会を作ることができた。しかし、増えた販売、配達先は、地元である東大阪市が少なく、地元に根付いたとはまだまだいえない。今年度は「地域」に根付くことを目標に、東大阪市を中心とした販路を確保してゆきたい。
(仕事)当事者1人1人が自信をつけ、パンの製造や販売、配達にがんばっている。またパンの先生を招いたことで、パンの技術を当事者に伝えることができた。そのことにより、当事者が向上心を持ち、質に関して厳しくなってきた。当事者がパンの作業にプライドを持ち、それが質の向上に繋がり、欠品やクレームが減ったことは評価できることといえる。また、今までパン屋でがんばっていた当事者が、新しい当事者に仕事を教えることもたびたびあり、特にリーダーは仕事の指示をしたり自ら率先して動く等、みんなを引っ張っていく力を身につけていきつつある。
(つながり)「当事者同士の関わり」については、「当事者同士で助け合う」までではないものの、一つの作業を複数で協力しながら行ったり、助け合いながら行うようになってきた。しかし悩んでいる当事者がいれば共に悩み、相談しあったり、身体にハンディを持つメンバーに対して、介助をしたり、当事者同士で会話することはあまりない。今年度はつながりを大切にしていきたいと思う。
(2)売上げについて
@配達
(学校)現在東大阪市、寝屋川市、門真市、四条畷市の一部の小中学校や市役所、個人宅等へ配達している。昨年目標にしていた東大阪市内全体の顧客化はなかなか進まず、うまくいかなかった。そればかりではなく、昨年度の顧客を維持するのが難しく、注文をくれなかったが、アプローチを試みなかった場合が多かった。東大阪での顧客は増やしていけるようにしていきたい。
(幼稚園、保育所)保育園については、東大阪市、大阪市で各一カ所、幼稚園については、奈良県の一カ所から定期的におやつや給食の注文をもらっている。その中には、髪の毛が入っているといった苦情がありながらも、報告書と謝罪を行うことにより、パンジーの関わりを継続してくれたところもある。しかし髪の毛が入っていたことで、その後すぐに報告書を作成し詫びたが、注文が滞っている保育園もある。こちらからの販売努力もできなかった。異物混入については改めて全体で確認し、防止に努めた。
(定期購入)現在は昨年度同様パンジーの保護者が大半である。これからも保護者に協力をしてもらいながら、食パンを中心とした定期購入の契約をとれるようにする。
(生徒会)盾津東中学校、高井田中学校、小阪中学校で生徒会が中心となってパンを購入してくれた。来年度も生徒会の取り組みの一環となるように努力してゆく。
(パンジーUとの連携)パンジーUの昼食、おやつに時々注文があった。
A販売
(企業)現在、東大阪市立の小中学校、保育園や大東市役所、教育委員会、下水道支部やサンヨー電機等に販売している。しかし今回の下水道支部は先方の理由により、5月から2月まで販売をすることができなかった。昨年度は544,910円の売り上げがあったが、今年度は14万円ほどの売り上げしか見込めなかった。反省点として、そのような大きな販売先である下水道支部の販売がなくなった時に今後の店売りが減収になるのが予想できなかったのかという問題と、その時に対処法を話し合わなかったことがあげられる。また、今年度は、販売予定をしていても体制がとれず、行けないことが多かった。(具体的には大東市役所、サンヨー、教育委員会等)
目標にしていたパンジー近隣の企業の販売も達成できなかったので、今後は当事者とゆっくり営業チームをつくり、近隣企業への営業活動を行っていきたい。
(学校)定期購入の途切れがちな学校は販売に切り替え、より購入しやすくする案は達成できなかった。4時ごろに販売に来て欲しいと要求のある学校にも行かないようにしてきた。そのため、学校の販売件数は伸びていない。来年度は当事者に意見を聞きながら、できるだけ昼休みに販売させていただくようにお願いしながら販売方法を考えていく。これらのことが影響し合って、100万円の減収になったといえる。
B製品
(ギフトセット)お中元の販売はクリエイティブ部門の夏の物販に重ならないように見合わせた。お歳暮はパンの先生に指導を受け、よい商品ができるようになったが、先生が求める製品の質が高く、いろんな種類を試みたが、当事者が中心となって作り上げていく商品にならなかった。以上の理由から昨年度のギフトの売り上げは夏、冬合わせて20万円あったが、その分の収入が減収になった。
(新商品の開発)パンの先生が来たことにより、新しいパンを作ることができた。それを商品化することは今後可能である。また、今まで試行錯誤で行ってきた給食パンが先生の指導、レシピによって質が安定し、新しい商品を作ることができた。
(3)実習について
鴻池東小学校や盾津東中学校の生徒会、職場実習として、小阪中学校、英田中学校、盾津中学校、若江中学校が来た。学校現場における「総合学習」の導入もあり、実習に訪れる学校が多なっている。
<クリエイティブ部門>
クリエイティブ部門は、自閉的傾向を持つ当事者が多いため、各々にタイムテーブルを作成し、パーテーション等を活用し、落ち着きを持てる環境・空間・時間を作ってきたところ、落ち着き安心して作業を行うことができた。
さをりは前年度に引き続き、さをり協会から講師を迎え指導していただき、また縫製を委託する人とパンジーで話し合いをもち商品の向上を心掛けた。販売先も、さをり専門店に委託販売をするなど安定を図ることにより70万円を超える売上げに繋がった。
物品販売は、東大阪市内全域の小・中学校、門真・寝屋川方面の学校に対して例年同様に協力していただいた。夏期の物販では自然食品を扱ったお中元を中心に販売し76万円(原価率81%)を売り上げる。冬季のチョコレート販売では380万円を売り上げた。
軽作業は年度途中に相手業者の経営困難の影響をうけ、安定した作業を提供することができなかった。
●4月
パンジー祭り、東大阪ふれあい祭りに向けて行政機関誌に案内を掲載するのが遅れた。地域の団地を中心に自転車や配達時に当事者とチラシを配布。
●5月 バザー品の回収を行う。バザー回収を週間日程に組み込み、毎日の作業を確保。また、必要に応じてお礼状を発送。
●6月〜9月 前年度のTシャツ販売から変わり、ムソー商事の自然商品を扱った商品・お中元ギフトを販売。事前に
ムソー担当者と3回、パンジーにて打ち合わせを持ち、販売方針と販売先と売上額を確認できた。商品管
理の部分では当事者の関わりはなかった。販売と配達では当事者と支援者が行う。
●10月〜2月 例年恒例のチョコレート販売を開始。売上げ目標額を達成するために、販売先を大幅に拡大。新規
開拓も行う。事前に先方の担当者に挨拶の電話をいれ、了解を得た段階で郵送・直接にパンフレットを当
事者と支援者で配布できた。配達も週間・月間予定に組み込み、作業を確保。
9月半ばから相手業者のハンガー作業が不安定になる。電話等で積極的に連絡をし、パンジーにおける
軽作業確保を心掛けた。10月末をもってクリエイティブで作業していたUさんが退所。
●3月 今年度の反省と次年度の準備を計画・確認。3月1日Yさん入所。
<パンジーU授産部門>
パンジーUができ2年目を終えた。当事者が自信をもって仕事ができるよう支援してきた。その一方、ゆったりペースの当事者や車椅子を利用している当事者のペースを尊重し、徒歩や車での配達で地域へ出ていった。
また、朝の会や終わりの会を当事者が主体となって行うことで、仕事への意識が高まった。
当事者のリーダーとして当事者を引っ張っていた人たちが、「かえる会」や、「ピア・カウンセリング」のリーダーとして積極的に関わるようになったり、就労にむけての実習を行うことができた。リーダーが作業室から抜ける日が増えるにつれ、新しい人たちが責任を持って仕事をするようになり、新リーダーが育ちつつある。
配食サービス
<当事者の仕事として> 4月から徐々に注文が増えるにつれ、職員が中心になって作っていることに気づいた。そこで当事者が中心になるよう、リーダーと担当を毎日決めて盛りつけを行った。そうすることで、当事者の自信につながり、楽しんで盛りつけに入れるようになった。また、ゆっくりぺースの当事者は主に配達をして弁当にかかわることができた。また、弁当箱洗いが、当事者に負担となっており販売や営業に行きたいという意見もあり、検討を重ねた結果、来年度より弁当箱を使い捨てにすることになった。
<売り上げ> 中学校の教師への配達を中心に行った。昨年度よりも1校増えて5校になった。また、その中でも週に2回だった学校が週4回とってくれるなど、徐々に売り上げがのびた。
<衛生面> 当事者も職員も衛生に対する意識がしっかりでき、手洗いやアルコールでの消毒が定着した。
園芸作業
<当事者の仕事として>
畑を耕したり、花の種をまき、苗を育てた。毎日の水やりも楽しんで行い、ゆっくりペースのメンバーも参加できた。夏野菜などが収穫でき、弁当の材料に使うことができた。
また、今年初めての取り組みとして年間契約で花鉢の販売を行い、楽しんで季節の鉢を作ることができた。
<売り上げ> 前半期は、ほぼ毎日学校に花の販売に行った。学校での販売を通して当事者の自信になり、地域とのつながりができた。しかし、ここ2〜3年継続して注文のあった鴻池東小学校の卒業記念の花鉢を販売することができなかった。来年度は早めの営業をしていきたい。
<イベント、販売先実績> イベント(ふれあいまつり、パンジーまつり、盾津フェスティバル、生協まつり)での販売。特にふれあいまつりでのカーネーションは完売することができた。
・ナイスハートバザールが初めて東大阪市のイトーヨーカドーで行われ、出店した。
軽作業
ハンガーの組み立てを行った。秋から冬にかけてとぎれることがあった。
実習受け入れ
・年に3回、各3人ずつの大阪市司法修習生を受け入れた。
・小阪中学校から4人の職場体験実習を受け入れた。
・東大阪養護学校の生徒を受け入れた。
3.どらえもん会・わくわく会
月一回のペースで、どらえもん会・わくわく会を行った。各当事者リーダーが役員を兼任していたので、話し合いもスムーズにいったように思う。話し合った議題としては対市・対府交渉の勉強会、各行事の担当を決め旅行の行き先や宿泊数、どんなことをしたいか、などである。他に「かえる会」からの提案として、スウェーデン研修のこと・給料のこと・来年度の自分の働きたいところなどを話し合った。また年度途中にパンジーを退所する当事者のお別れ会をみんなで話し合い、T・U合同で開くことができた。しかし計画の中にあった毎月の給料のことや仕事の内容については、話し合うことができなかった。
支援者はわかりやすいようにプリントや表、大きく模造紙に書いたものを用意した。話し合いは、すすまなかったり、意見が分かれて決まらなかったりということもあったが、みんなが真剣に話しあって解決していけた。来年度はメンバー構成が変わるが今までのことをステップにして、みんなで会をもり上げていきたいと思う。
4.講演会
@実績
6月 聖愛園/平群ホームヘルパー研修会
8月 奈良部落解放研究集会
9月 東大阪養護学校
10月 意岐部中学校/ピア・スクール講演
11月 縄手南小学校
1月 御幣島幼稚園
2月 ももたろうネットワーク(岡山)
A良かった点
学校の職員勉強会、ヘルパー養成講座をはじめとして多岐に渡る講演依頼があった。今年度も講演日時・内 容、講演メンバー、原稿作成など全てにおいて当事者と支援者が共に携わって講演会を構成した。
B反省点
今年度もパンジー紹介ビデオではなく、デジタルカメラを使用し当事者の言葉でダイレクトかつリアルタイムの 紹介ができたが、主に授産活動の説明(小学生向け)だけになっていた。今後はビデオやデジタルカメラを使用 し、パンジーの概念や運動部分を当事者が説明していける支援とスキルが課題としてある。
5.昼食・ティータイム
1.昼食
熱い物は熱く冷たい物は冷たい内に出来る限り提供した。また、旬の野菜中心のメニュー作成をした。選択できるメニューに関しては、パンジーではメニュー2品から好みの物を選ぶことを試み、パンジーUでは月1回程度バイキング形式をとった。
2.ティータイム
当事者同士の団らんの場となるには、時間が少ないようだ。
3.衛生について
保健所の衛生指導に基づき改善した。
4.弁当
メニュー作りでは当事者の意見を取り入れることができたが、各世代のニーズに合わせたメニュー作成調理をすることは難しかった。
5.健康対策
パンジーは個人の健康状態にあわせた献立調理を行った。パンジーUは保健士を講師として健康セミナーを実施。
6.事務部門
@ 事務会議の開催
日常の業務に追われ開催日に会議を持てない時もあったが、日々の業務の中で話し合いを行い大きな支障はなかった。来年度は月単位、週単位でのスケジュール・役割分担を明確にする場として、きっちり行いたい。
A 定款変更
「第2種社会福祉事業」にグループホーム「はやぶさ」を追加した。
B 健康管理
7月・12月に健康診断を実施した。12月にはレントゲン検診を職員、通所者共に行った。
C 防災訓練
4月・10月に実施した。
D 名簿管理
住所録・名簿管理はパンジー・パンジーUの両方で共有できるシステムを作れなかった。
来年度はまた共有できるよう努力したい。
E 事務研修について
パソコン研修 計4回、会計研修 計5回に参加した。
F パソコンシステム管理
特定の管理者を決めて整理できなかった。来年度は個々に学習して、整理出来るようにしたい。
4 自立生活支援センター「わくわく」
1.自立生活支援システム
<地域のサークルや習い事に当事者が通えるよう、情報提供や支援をする>
卓球教室(ペアーレ東大阪)に2名、IT講習や知的障害者のためのパソコン教室(育成会)10名、フレン ドサロン(ファインプラザ)に6名が参加した。
<毎週土曜日のわくわく活動以外にも、希望に応じてガイドヘルパーを派遣する>
希望に応じて、ナイターやコンサートなど土曜日以外の日や平日の夕方などに、ガイドヘルパーを派遣 し、利用の幅を広げることができた。また、制度外の送迎にも可能な限り応じ、ヘルパーを派遣した。
<ショートステイでは緊急一時保護、レスパイトのみにとどまらず自立体験としての場を提供していく>
来年度グループホームへ移行するメンバーが4名おり、自立生活へ繋げることができた。また、緊急
の要望にもショートステイとガイドヘルパーを組み合わせるなどして体制を作り、対応した。
<定期的に大学や福祉専門学校に行きヘルパー募集活動をする。ヘルパーの面接は当事者と一緒に行う>
ヘルパー募集活動は3カ所の地域の専門学校で行った。担当の先生を通じて10数名がヘルパーとし
て活動した。また、「ボランティア情報誌コンボ」に定期的に募集案内を掲載し、月に1〜2名が活動を した。
面接は必ず当事者と一緒に行った。
<ヘルパー研修会>
|
7月 |
金満里さん(劇団態変)講演 |
1月 |
ケーススタディ |
|
5月 |
山川秀樹さん(全障連)講演 |
11月 |
介護体験 |
|
9月 |
中新井澪子さん講演 |
3月 |
グループ討論 |
研修会には毎回約30人のガイドヘルパーが参加した。ヘルパーからは小グループでの討論の希望が多かった。ヘルパーの質については、当事者からの意見をもとに、適切な活動を行えなかった3名のヘルパーと話し合いの場を持ったが、改善がみられなかった2名については、残念ながらやめてもらうことになった。
2.相談支援事業
<ピアカウンセラーの相談活動を支援する。ピアカウンセラーと一緒に定期的な在宅訪問をし、ケアプランに沿ったサービスを提供する>
在宅者の訪問活動はピアカウンセラーと共に行った。ケアプランを立てることはできなかったが、個別のニーズに対応し、サービスに繋げることができた。
<ピアカウンセラーは現在1名(生田さん)だが、さらに増やし相談の体制を整える>
訪問活動は生田さんのみが関わったが、「かきルーム」には生田さん、梅原さんの2名がリーダーとして活動した。
<ピアカウンセラーを将来的に「わくわく」のスタッフとして位置づけられるよう検討していく>
生田さんは、主に相談活動と「かきルーム」のリーダーとして活動してもらい、給与を支払った。今後は「ザ☆ハート」と協力しながら、当事者の仕事について検討していく。
<療育センターと協力し、東大阪圏域でのサービス調整会議を定期的に開催し、行政への提起の機会を作る>
2ヶ月に1回、東大阪市内の3障害の支援事業実施団体との連絡会を持ち、情報交換を行った。また療育センターと共に、市に対してケアプラン作成の協力を求め、3月より定期的なケア検討会議を持つことになった。
<自立生活プログラムは、自立を始めるメンバーを対象にした個別プランと、テーマを決めたグループでのプログラム(年に2回)を実施する>
個別のプランは、一人暮らし希望者と、三ヶ月間の個人旅行(ピースボートへの参加)希望者への支援を行い、それぞれ実現することができた。グループでのプログラムは開催することができなかったが、在宅者を対象にした集まり「かきルーム」を毎週木曜日に開催した。(参加者6名)
<自立生活友の会は当事者から当事者への情報発信として、「自立新聞」を年に3回発行する。>
わくわくとしての当事者の会は開催しなかった。
3.ピアカウンセリング
当事者同士が互いに気持ちを理解し合い、支え合ってエンパワメントしていくことを目的とし、毎月1回行ってきた。身体障害のある当事者がリーダーをする大きいグループと、知的障害のある当事者がリーダーになる小さいグループという組み合わせで行った。
また、現在は、東京のピアカウンセラーから大阪のピアカウンセラー(自立生活センター「MY・DO」など)へ渡して行きつつある。
大阪府の知的障害者ピアカウンセリング講座では、5日間の講座を7月と3月に2回開催し、約10名ずつの参加者があった。パンジーの当事者メンバーはリーダーとして、何度も話し合いを重ね、リーダーの分担やプログラムの内容などを自分たちで決め、自信につながる経験となった。
最後に、当事者の声を紹介する。・明るくみんなでたのしくやりたい。ほかのメンバーのUくんとかYくんとかさそいたい。みんなでたすけあってがんばっていきたい。・どこかで部屋をかりてやりたい。・今は1部(大きいグループ)2部(小さいグループ)でやってるけど、場所がひろくなったらたくさんの人とやれる。場所代がいるのだったら、大きくひろげたい。ひとつかふたつ、まるくあつまってその中に一人づつリーダーに入ってもらう。東京でやった方法。・一回づつのテーマをきめてやる。(うれしいこと、かなしいこと、自立のことなど)
4.就労支援
〈方針〉
@担当支援者を中心に、就労支援のスキル向上のため箕面障害者雇用支援センターなどで研修を行う。就労支援のセミナーなどにも積極的に参加する。
A布施職業安定所、大阪障害者職業センターと連携して、当事者のニーズ・適性に応じた実習受け入れ企業を探し雇用につなげいてく。
B新聞折り込みチラシ等の求人情報をもとに職場開拓をする。
〈活動実績〉
@ついては、以下のような研修を行った。
・箕面市障害者雇用支援センターにおいて見学・研修(2001/05/28)
・兵庫県社会福祉事業団及び仲町台発達障害センター主催による「ジョブコーチ養成セミナー」(06/02)「日米ジョブコーチセミナー」(07/10)に参加し、修了書を受領する。
・日本知的障害福祉連盟主催による「就労支援に関する公開研究会」参加。(08/29〜30)
・日本マクドナルド(株)による店舗見学会に参加。(09/10)
・大阪障害者雇用支援ネットワーク等の主催による「2001障害者雇用フォーラムin大阪」に参加。(09/19)
・大阪府健康福祉部主催による「第1回起業家チャレンジ講演会」に参加。(11/01)
・日本障害者リハビリテーション協会主催による「第24回総合リハビリテーション研究大会」に参加。(11/16〜17)
・障害者就労支援研究会主催による「障害者就労支援研究集会」に参加。(02/02)
・大阪障害者雇用支援ネットワーク主催による「精神障害者の就労支援シンポジウム」に参加。(02/19)
・大東園にて「障害者インターンシップ制度」の説明会に参加。(02/20)
・大阪障害者雇用支援ネットワーク主催による「第9回ジョブコーディネーター会議」に参加。(03/15)
Aについては、以下のような団体との連携を進めてきた。
・ハローワーク(布施、門真)
利用者と同行訪問し、求人登録を行った。日常的に職安障害者担当者と連携し、利用者に合った仕事を探した。また、助成金の活用などの相談を行った。「障害者就職面接会」への参加。
・大阪障害者職業センター
利用者と同行訪問し、職業相談を行い、職業評価を受けた。「職域開発援助事業」の利用相談を行い、事業の実施に当たっては、「生活支援パートナー」の委託を受けた。
・大阪知的障害者育成会
「授産施設等実習職場開拓事業」から当施設の近隣事業所を紹介していただき、職場実習を行ってきた。
・自立支援センター「ぱあとなぁ」
市町村障害者生活支援事業を展開している団体。身体障害者からの就労・生活相談などについて連携して対応した。
・東大阪市社会福祉事業団
「療育センター」「障害者センター」「高井田訓練所」などに配置されているコーディネータ、PT、就労支援担当者等と必要に応じて相談・連携してきた。
・NPO法人大阪障害者雇用支援ネットワーク
連合大阪・関西経営者協会・特例子会社等事業主・職業リハビリテーション等関係者と労働行政が連携したネットワーク団体。障害者雇用フォーラムをはじめジョブコーディネーター会議、就労支援アドバイザー養成講座、インターンシップ制度などの幅広い活動を展開している。
会議への参加とインターンシップ制度(職場実習)の利用に関する相談を行った。
Bについては、毎週月曜日に新聞折り込みチラシを見て連絡した所を中心に、この一年間でこれまで、276社の企業・事業所と連絡をとり、そのうち訪問・見学を行ったところが56社だった。また、企業情報は今後の資料としてデータベース化し、訪問企業については訪問記録をつけた。
以上の活動を通じて、今年度の相談受付数、実習経験者数、就労者数などを数字で表すと以下のようになる。
・相談受付・利用者数 …9名(内施設外の利用者3名)
・上記のうち一般企業で実習を経験した者 …5名
・上記のうち新たに一般就労した者 …2名
・上記のうち離職した者 …1名
・上記のうち継続して就労している者 …2名
5.グループホーム
4月に新グループホーム「はやぶさ」を開設し、全部で5つのグループホームを運営して、地域生活を支援してきた。この中で、親の長期入院、緊急事態に対してはプロジェクトチームをつくり、グループホームでの生活を支えてきったことは、私たちにも大きな自信となった。
同じグループホームに泊まる当事者間においては、お互いの気持ちを支え合い、仲間意識がもてるようになっている。そのことによって生活への意欲の高まりや、肯定的な経験の積み重ねがなされている。また、朝食事の献立を考え、材料を自分たちで考えて買いに行き、調理するなど、生活面での広がりや楽しみをもてるようになっている。
@年間行事
・世話人・介護者グループホーム会議 (月例)
・障大連グループホーム部会参加 (月例)
・保護者、介護者、世話人を交えた懇談会 (4月)
・介護者研修会 (5月・7月・9月)
・兵庫県障害者生活支援交流会 (6月)
・障大連自立支援セミナー、分科会発表 (12月)
Aグループホームに世話人を置き、個人への個別支援を充実させた。
・夕食をキャプテンクックとし、メニューを利用者と相談し、作りたての暖かい食事がとれるようにした。
・生活保護の申請や、生活費の管理補助などの支援をおこなった。
・定期的な通院及び、歯科医や骨折の治療の通院など、衛生面・健康管理などの支援を充実させた。
B当事者への支援の強化のため、関係者による話し合いを持った。
・「介護者研修会」を、年間3回実施し、支援のあり方や介護技術について学んだ。
・保護者、介護者、世話人を交えた懇談会を持った。
・各グループホームの世話人と介護者による、月例介護者会議を持った。
C緊急時の宿泊への対応
・保護者の緊急入院による、Iさん・Mさんのグループホーム体制を整備した。
・Iさん・Mさんの支援のため、「プロジェクトチーム」を持った。
5 障害者運動
1.当事者運動の支援
・なかま会
障大連の知的障害者部会として、大阪府下の当事者たちが集まって、話し合いをもってきている。パンジーからは今年は4〜8人の当事者が参加し、3名の職員が支援者として参加してきた。
毎月1回火曜日の夜、芦原橋の総合福祉センターの自主活動室で、7月の対府交渉、12月の障大連セミナーのことを中心に話し合いを持った。同時に昨年度に引き続く課題として、なかま会がなかなか盛り上がらない、人が集まらないことがあり、それをどうしていくかでも何度か話し合う機会をもった。
話し合った結果、次年度から、ピープルファースト大阪実行委員会と合同で話し合いを持つことに決まった。
会議の日についてはこれまでの火曜日の夜から土曜日の日中にすることになり、名称についても、生田さんからの提起で『ピープルファースト大阪』に決まった。
・ピープルファースト大会
10月6〜7日、北海道・札幌市にて、ピープルファースト大会IN札幌が開催された。参加者は約900名だった。パンジーからは引き続き生田さんが全国実行委員として大会の運営に関わり、当日は18名のメンバーと職員が参加した。
・後見支援センターの運営協議会委員
後見支援センターの運営協議会委員として、生田さんが参加している。運営協議会については、3年前ぐらいは一年に数回もたれていたが、今年は1回、3月に開催され生田さんが参加した。
2.外部団体との協力
・障大連関係
昨年度に引き続き、障大連事務局に入り、障大連の運営全体に関わってきた。各部会(定例会、なかま会、自立支援部会、労働部会、グループホーム部会など)にも積極的に関わってきた。
今年も対大阪府オールラウンド交渉に取り組んだ。7月には総決起集会とデモ行進があり、パンジーからはほとんどの職員と当事者が参加した。また、7月25日の交渉当日も、知的障害当事者として、自分たちの意見や思いについて臆することなく訴えた。
また、12月には障大連セミナーに当事者含めて参加した。
・全障連
10月27〜28日、神戸市勤労会館で全障連大会があり、ほとんどの職員が参加した。また、かえる会の当事者は、当日、数種類の書籍とバッヂを販売した。
今年の大会は、場所が神戸と近いことと、ニュースキャスターの筑紫哲也さんがゲストでくるということもあり、これまで参加したことのないパンジーの当事者も約10名ほどが参加した。
・東大阪市交渉
12月18日、今年度もつばさグループとして対東大阪市交渉を行った。
今回の交渉では、介護保障のガイドヘルパー制度について、長年要求してきた「中・軽度の知的障害者の利用」について前向きな発言が見られた。また、複数ヘルパーの派遣についても個別のケースで対応したい、としてこれまでの「一切認めない」という姿勢より前進してきている。しかし具体的に次年度から実施されるかどうか不明であり、依然としてホームヘルパーやガイドヘルパーを中心とした介護保障においては様々な制限があることはあきらかであり、その点を追求し改善を求めた。
グループホームについては、府営住宅の利用はなんとか進んでいるが、市営住宅のグループホーム利用については他団体も含めて皆無である現状から、市営住宅の新規建設計画の中にグループホーム利用を含めるよう強く訴えた。
毎年の交渉であがってくる課題は、中期・長期の展望をもった政策や制度を福祉部を中心として行政と共に作り上げていくということだ。そのため、今年は各課題別に行政との事前協議をもち、それらを集約して要求課題を整理して交渉に臨むことができた。また、交渉日程も予算審議の前になんとかもつことができた。
以上のような総括のもと、今後もつばさグループの力を結集して全力で取り組んでいきたい。
|