2003年度事業報告
社会福祉法人 創思苑
1 はじめに
今年度は、支援費制度が開始された年度である。「自立と社会参加」「自己選択と自己決定」「入所施設からの地域移行」等が理念としてあげられたが、準備不足やサービス基盤の脆弱さ等、多くの問題点や課題を抱えてのスタートとなった。
当法人でも、それらの影響を受け、契約やシステムの整備等、運営が安定するのにほぼ半年を要した。これまで自主的な活動として行ってきた在宅障害者のための「かきルーム」がデイサービス事業となり、ガイドヘルパーとのわくわく活動が居宅介護事業となり運営を開始したが、特に居宅事業は、資格が必要となったガイドヘルパーの養成がおいつかず、四苦八苦の運営となった。運営の安定は新年度に引き継ぎたい。
・人材育成
これまでも、自立生活と当事者主体を支援できる職員を養成するために力を注いできたが、毎年の事業追加と職員の増加に、すべての職員に適切な研修プログラムを提供できなくなっていた。今年度は、リーダー養成研修、初任者研修、情報の共有に重点をおいた。勝ち負けではなくWIN-WINの関係を目的とした協調的交渉術や、チームビルディング等新しい研修も導入した。年度末にはアンケート調査を実施し新年度への参考とした。
・人事考課と賃金設計
当法人の理念に基づき、当事者支援や運営の安定のために、個々の職員が自分の現在地を確認し、次のステップとして何をめざせばいいのかを明確にするために、人事考課制度の導入の準備をし、プレ実施をした。
また、今後の福祉の動向と当法人内での賃金体系の未整理部分の見直し作業をした。次年度から導入したい。
・パンジーからの発信
パンジーで始まった活動が、他の地域の人も参加できる活動となり、今後も継続していくものが3つある。多くの新しい出会いができた。
@セクシャリティ講座・・河東田博さんやハートブレイクの人たちと始めた知的障害を持つ人たちのセクシャリティに
関する活動が、パンジーの人たちも関わりながら、他の地域でも開催されるようになった。今後も続いていくだろう。
また、ハートブレイクとの共同で結婚へ向けての支援も開始した。
Aファッションショー・・最初パンジー内で小規模なショーを行い、当事者の生き生きとした表情を見て、外で、いろ
んな人たちの協力を得てショーを開催することになった。9月にドーンセンターでファッションショーを開催し、当事
者40名が参加した。ステージは美容師、カメラマン、舞台監督といったプロの人たちのボランティアに支えられ、
大変な盛り上がりをみせた。当事者たちは皆自信に満ちた表情を見せており、次年度も引き続き行うことになった。
B知的障害者と支援者のエンパワメントプログラム事業・・・独立行政機構社会福祉・医療事業団の助成を受けて以
下のとおりの事業を行った。
(1)知的障害者の実態調査
知的障害者のニーズを知ることにより、支援者の意識を変革し、資質を向上させることを目的にして、対面によるアンケート調査を行った。調査内容については知的障害当事者を中心に検討、作成し、当事者による調査を行った。以下は、企画メンバーが全国の当事者に送った手紙の一部である。「わたしたちは、全国のなかまが、地域の中で、自分らしく、そして楽しく生活しているのか、しりたいと思いました。わたしたち当事者の声は、まだまだ地域の中に届いていないように思っています。わたしたちは、小さい頃から、親や職員、学校の先生などに、いろいろなことを決められてきました。自分たちはいつもがまんをさせられてきました。でも私たちはもうがまんしません。わたしちたちは、少しづつ、自分たちで声をあげています。「あんなことしたい」「これがいい」「こういうのはやめてほしい」。
そして、四国・沖縄・鳥取・関西の合計207人の当事者から対面によるアンケート調査を得て、いろんな思いを聞き取ることができ、報告書にまとめることができた。
(2)知的障害者と支援者のエンパワメントプログラム講座
10月から12月まで1月に1回、合計3回にわたり知的障害者と支援者の講座を行った。プログラムについては当事者と共に考え少人数でワークショップ形式で行った。1回目は「心のマッサージ」と題したワークショップと、当事者による「さわられ方」についての講演を行い、2回目は「伝えあうこと」と題したワークショップと当事者による「ダメと言われることについて」等の講演を行った。3回目は「感じてみよう、お互いの立場」と題して支援者と当事者のロールプレイを行った。
・自立への闘い
グループホーム
2003年12月に厚生労働省から「平成16年度に向けたグループホームの事業運営の見直し(案)」が提出された。実質的なグループホームの支援費引き下げ案に対して、
抗議文を提出した。また2003年12月17日(水)、厚生労働省前に、全国から約500名が集まり抗議行動を展開した。パンジーからも約40人が参加して交渉にあたったところ支援費引き下げは白紙撤回となった。
さらにグループホームの課題や、今後の方針を考えるために協議の場を設けることを約束させた。DPI日本会議・横浜市グループホーム連絡会・ピープルファースト大阪・全国グループホームスタッフネットワーク・障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議が中心となり、厚生労働省との協議を行っており、創思苑からも参加することになった。今後もグループホームをより使いやすい制度にするために行動をしていきたい。
入所施設
大阪府立の大規模入所施設の再編計画に基づき、東大阪市に小規模な入所施設の建設計画があることが、去年の終わりに明らかになった。障大連と「パンジー」で白紙撤回を求め、大阪府と協議を重ね、2004年2月にあった東大阪市と「つばさグループ」の交渉においても当事者側からの激しい反対の声が挙げられた。
結果として、コロニーの再編計画に伴う東大阪市の新規入所施設の計画は現時点では中止となった。そして大阪府と協議を重ねる中で、砂川厚生福祉センターの当事者の受け入れ案が大阪府から提示された。3月の中旬に体験的にグループホームに宿泊、通所施設を利用し、当事者の意思確認をしながら進め、2004年4月からパンジーでグループホームと通所施設を利用することになった。
これから、東大阪市全体で「地域生活支援システム」をどうつくっていくかが大きな課題である。その中で、東大阪市民でありながら制度の不十分さを理由に入所施設での生活を余儀なくされてきた人たち一人ひとりの暮らしをつくることを支援していきたい。
2 創 思 苑 概 要
【新事業】2003年4月より支援費制度に移行になったことで創思苑の各事業を支援費の事業所として登録した。2003年度の新しい事業としては、以下の事業を追加した。
第2種社会福祉事業 知的障害者居宅介護等事業 自立生活支援センター「わくわく」
身体障害者居宅介護等事業 自立生活支援センター「わくわく」
知的障害者デイサービス事業 自立生活支援センター「わくわく」
【定款の変更】 理事・評議員の定数を理事6名、評議員15名とした。パンジーUでの短期入所事業の開始に伴う事業追加、グループホーム「ギザギザハート」の開始に伴う事業追加
【長期借入金】独立行政法人福祉医療機構によるクリエイティブハウス「パンジー」の設備資金借入金2500万円のうち125万円を12月に返済し、残り1125万円となり、クリエイティブハウス「パンジーU」設備資金借入金5000万円のうち、250万円を10月に返済し、残り4000万円となった。利息については「パンジー」556,250円、「パンジーU」892,500円を返済し、それに伴い大阪府社会福祉協議会より合計898,000円の補助金がおりた。
【理事会・評議員会】 第6期第2回(5月29日)事業報告・決算、第3回(6月30日)大規模修繕入札・予定価格、第4回(7月24日)大規模修繕事業者との契約、第5回(12月2日)補正予算・通所バス助成事業等、第6回(2月4日)グループホーム「ギギザギザハート」の開始と事業追加、第7回(3月25日)2次補正・移行時特別積立金の取崩・事業計画・予算を内容として開催した。
3 クリエイティブハウス「パンジー」及び「パンジーU」
1.施設概要
知的障害者授産施設(通所)クリエイティブハウス「パンジー」
<利用者>定員30名 退所者1名 入所者1名
<職員>施設長1名 事務員1名 調理員2名 指導員6名
知的障害者授産施設(通所)クリエイティブハウス「パンジーU」
<利用者>定員20名 退所者1名 入所者1名
<職員>施設長1名 事務員1名 調理員2名 指導員4名
2.授産
<パン部門>
@当事者支援
・「パン屋会」を毎週始めに開き、週間予定の確認や、配達や販売の人選もできるだけ当事者の意向を尊重しながら決めていった。司会進行については、当事者リーダーにすすめてもらうためにマニュアル化するなどの工夫をすればよかった。
・販売やイベント等の売り上げについては、その都度「パン屋会」で報告をしたが、ボーナス等に直結する全般的な会計報告や月ごとの売り上げの報告は出来ず、十分な情報提供はできなかった。
・行事の担当になった当事者が主体的に話し合い、準備することができた。
Aなかまを大切に
・発作のある当事者について、職員だけでなく当事者間でも意識して見守れるような雰囲気があった。
・自閉的な当事者のパニックや大声を出して混乱する当事者に対して、他の当事者が否定的になることへの支援ができなかった。
B地域との関わり
近隣の小中学校との交流として、今年も鴻池東小学校から計90数名の実習生を受け入れました。また、盾津東中の文化祭では、今年は当事者も一緒に参加し、生徒会の人と一緒に販売することができました。
地域でのイベントとしては、就労支援でお世話になっている老健施設のお祭りに出店することができました。
<クリエイティブ部門>
@当事者支援
・行事の担当を決め、必要に応じて集まって話し合い、その人たちを中心に内容を決めていくことができた。
・当事者間での協力関係がうまく作られた。作業の流れを作ることや、昼食後のカラオケの操作、それぞれの気持ち
の波に対して、協力したり寄り添ったりする場面が自然に見られた。
・支援者が、他の当事者の障害を理解できるように伝えられず、コミュニケーションの困難な当事者を年下のように見ている当事者もいた。
・ゆっくりペースの中で、支援者だけが業務に追われたり、計画的にゆったり過ごす時間(コーヒータイムなど)がとれず、行き当たりばったりになることがあった。
・就労の第一歩として、週3日のアルバイトをしている当事者への支援を続けた。
・ゆっくりペースで当初考えていたハイキング・サイクリング・公園散策が十分実現できなかった。
・当事者のこだわりや、状態の変化に対して、職員間ではっきりとした共通認識をもって関われるような話し合いができた。
A地域との関わり
・当事者が、昼休みに買い物に行くローソンの店員さんと顔見知りになり、パンジーの催しもののポスターやチラシをおいてもらった。一方でショップであったような、近隣の人たちとの交流が少なくなった。
・学校などには毎日配達に出かけ、当事者がチョコレートの営業を行った。また、配達先の近隣の商店に馴染みの人ができた。
B給料について
・毎月の給料5,500円、年2回のボーナス7,000円を支払ったが、給料を上げてほしいという当事者の声には応えることができなかった。
・施設外授産(梶商店)の実現により、そこで働いた当事者には給料の上乗せができた。
C当事者運動の支援
・ピープルファースト大会(滋賀)や厚生労働省への抗議行動に、多くの当事者が参加できたが、当事者運動をハートに任せきりにしていることが多く、授産職員が積極的な支援をできなかった。
<パンジーU授産部門>
@当事者主体をすすめる
・わくわく会役員の選出、パンジーまつり、パンジー旅行などの行事の内容の決定を当事者で行ったが、毎月のわくわく会が開けないことがあった。
・入所施設再編の計画や厚生労働省への抗議で何が問題かをみんなで考えた。
・授産の現状が当事者に伝えられず、職員側からの提案などに、当事者同士で話し合う機会が少なかった。
A仲間を大切に
・自閉的な人の対応として個別の机を用意し作業に取り組みやすくしたが、一方でスペースがうまく利用できず、安心して過ごせる環境が作られていなかった。
・当事者が協力し合えるような声かけや、他傷行為に対する理解とその対応について考えた。
B個別支援
・ハイキング、図書館を週に1回行くことを一年間続けることができ、当事者も楽しみにしていた。
・マニュアル作り「一日」「一週間」「一ヶ月」「一年間」「個別のトイレ」「個別の食事」等を作ることができなかった。
C地域とのつながり
・物販で地域の学校との関係ができ、当事者だけで配達ができた学校もあった。
・配達時に、車いすを利用している人や、コミュニケーションが難しい当事者が職員の体制上、車から降りられないことがあった。
D給料について
・物販(うどん、チョコレート)の売り上げは昨年度を大きく上回ったが、弁当販売に変わるものが見つけられず、収入は減額した。
・パンジーとチョコレートの物販でのバッティングがあった。
・外出の機会を多く作ったが、一方でガソリンの出費も多くなった。
E当事者運動の支援
・ピープルファースト大会(滋賀県)へほぼ全員参加ができ、参加の意義を伝える支援ができた。
・厚生労働省の抗議に行きたい当事者が行けなかった。いろいろな情報が当事者に伝えきれていなかった。
3.どらえもん会・わくわく会
基本は月1回のペースで、どらえもん会・わくわく会を行った。ただし行事などで話し合う必要がある時は、決められた日にとらわれず随時会を開いて話し合う、という対応をしていたのでスムーズに決めていくことができた。ドラえもん会では、役員中心でいままで会を開いてきたが、今年は全員でいろんなことを話し合い、みんなで共有していくことができた。
来年度も臨機応変に対応していき、どらえもん会・わくわく会が盛り上がっていき、みんなが意見を出し合い話し合える場であるようにしたい。
どらえもん会・わくわく会で話し合われたこと
どらえもん会・わくわく会の役員・各行事担当の選出/対市・対府交渉の勉強会/各行事でやりたいこと・どうしたら楽しめるかの話合い/来年度働く場所など。
4.かえる会
(1)活動報告
・今年度の議題としては、面接や退職などの職員のこと、グループホームのこと、当事者のこと入所施設のこと、大きく分けてこの4つに分けられる。
(2)よかったこと、できたこと
・パンジーのメンバーが困った時に、みんなで話し合うことができた。
・パンジーの全員の職員の面接をして、職員のことがわかった。
・パンジーの職員がやめるときは、なぜやめるのか話をきくことができた。また話を聞く回数を重ねるごとに、思ってい
ることが言えるようになった。
・入所施設のことを話し合い、かえる会のメンバーで金剛コロニーに見学にも行った。
・みんなの司会がうまくなった。
(3)できなかったこと
・パンジーのメンバーが何を困っているのか、当事者からの提起ができなかった。
・飲み会を開くことができなかった。
5.講演会
・実績
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日にち |
講演名 |
主催 |
場所 |
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5月17日 |
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ビデオ工房AKAME |
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6月 2日 |
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盾津中学校 |
盾津中学校 |
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7月 3日 |
知的障害関係施設職員研究会 |
北陸地区知的障害者福祉協会・
石川県知的障害者福祉協会 |
石川県 |
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7月19日 |
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奈良・平群町 |
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8月18日 |
南河内市民セミナー |
南河内在宅支援ネットワーク |
羽曳野市 |
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8月24日 |
青山さんを救援する関西市民の会・集会 |
青山さんを救援する関西市民の会 |
リバティおおさか |
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8月29日 |
第9期ピアスクール |
ピア大阪 |
ピア大阪 |
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8月29日 |
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英田中学校 |
英田中学校 |
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9月13日 |
ピープルファースト広島の集い |
大崎わかめの会 |
広島県 |
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11月 8日 |
ぷくぷくの会・研修 |
ぷくぷくの会 |
吹田 |
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12月 9日 |
支援者のエンパワーメント講座 |
創思苑 |
若江岩田 希来里 |
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12月12日 |
生駒市人権教育講座 |
生駒市教育委員会 |
生駒市図書館 |
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1月14日 |
大阪教育大学の授業 |
大阪教育大学・二文字先生 |
大阪教育大学 |
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3月14日 |
ピアカウンセリング講座 |
大阪知的障害者育成会 |
大東園 |
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3月24日 |
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CILリングリング |
リングリング |
・今年度は、講演内容によって、限られた当事者しか参加できないことが多くあった。そのため、多くの当事者が参加できるようにする、という目標が達成できなかった。
・当事者が「講演の担当者」としての役割を意識できるような、支援ができなかった。
・恒例になっている講演会の依頼は、今年度もあったが、全体として回数が少なかった。
6.昼食・ティータイム
@昼食について
・バイキング形式に関しては、配膳にかなりの時間がかかったことなどで行えなかった。
・年間を通して季節感のある献立はできなかった。
・栄養のバランスに関しては、業者献立に基づいてのものだったので、問題はなかった。
・メインを2種用意する日を設定する日に関しては、あまり実行できなかった。
Aティータイムについて
・例年通りお茶中心で、変わりはなかった。
7.事務部門
2003年度のトピックとしては、以下の点が上げられる。
・支援費事業所の登録申請を行った。
・措置費から、支援費への移行に伴い、新たに通所者との契約を交わした。
・新会計基準に伴い、各会計を移行した。
・10月に各施設・居宅介護事業について大阪府の監査が行われた。
・2004年度に向けて、2事業の登録申請を行った。
・社会福祉・医療事業団の助成事業を行った。
新しく始めることが多く、スムーズな事務作業を行うことを心がけたが、うまく進めることができなかった。それは事務のシステムを構築することができなかったからだと考えられる。2004年度は事務のシステムを構築し、より能率のよい事務を心がけていきたい。
4 自立生活支援センター「わくわく」
1.自立生活支援システム
<ホームヘルパー派遣>
・4月より事業主体としてスタートし、利用者の様々なニーズに対して応えていけるように、またそのための人材育成をめざした。できる限りのニーズには対応したが、事務作業に追われ十分な人材確保はできなかった。グループホームへのホームヘルパー派遣については必要な派遣を行うことができたが、派遣についての認識の違いを大阪府から指摘され、結果として返金することになった。来年度には、事務関係の整理とヘルパー養成に力を入れる。
<ガイドヘルパー派遣>
・4月以降、地域の利用者が急激に増え、移動介護の契約者数は85名になった。利用者の多くは毎週土曜日のわくわく活動に参加し、行き先などできるだけ要望に応える努力をした。また、参加人数が多い場合は曜日を振り替えてもらったり、グループにしてもらい対応したが、ヘルパー数が少なく利用を断わることがあった。
・ガイドヘルパーは、支援費制度以降、資格が必要になったこともあり、新規の登録は10名程度(学生などやめた人も約10名)で、利用者の増加に対応できるほどの確保はできなかった。
・ガイドヘルパー研修会を5月、7月、9月に開催した。
・当事者や家族に、支援費制度のシステムを理解してもらう場を作ることが出来なかった。
<短期入所>
・食事メニューや調理・余暇の過ごし方など利用者が主体的に過ごすことが出来た。
・土日祝祭日の利用にもできる限り対応できた。
・大阪府のSS連絡会議の出席した。パンジー内では月一回のショートステイ会議を開くことが出来なかった。
・個別支援計画を反映させられず、長期の定期的な利用者のプランや見通しが立っていなかった。
<デイサービス>
・週三日実施し、必要な人には送迎サービスを実施した。また利用者間の関係が出来てきた。
・2名の利用者を地域の作業所へつなげることができたが、長期にわたるデイサービス利用者の進路が作れなかった。また、デイサービスになじめない人への進路探し等の早めの対応がうまくできなかった。
・家族との定期的な懇談会を持つことが出来た。
・様々なサービス(ショートステイ、ホームヘルパー、ガイドヘルパーなど)の利用を積極的にすすめることができた。
・活動(ピープルファースト・ピアカウンセリング・ダンス・おしゃれ宣言)などに参加することができた。
2.相談支援事業
・セクシャリティ講座、レッツスイミング、ダダダ・ダンス、ピアカウンセリングなどのワークショップを定期的に開催することが出来たが、ワークショップから外部へのサークル活動や習い事への移行は出来なかった。また、外部の利用者への呼びかけがあまり出来ず、パンジー内部の人だけに限られていたものもあった。
・東大阪の支援センター連絡会議に出席し、情報交換を行った。
・在宅の相談者に対して、必要なサービスへつなげたり訪問活動を行った。必要に応じてケア会議を開催したり、ケア会議に参加することができた。しかしピアカウンセラーと一緒に訪問をする時間がとれず、原則が守られなかった。
3.ピアカウンセリング
当事者同士が互いに気持ちを理解し合い、支え合ってエンパワメントしていくことを目的とし、毎月第一土曜日に市民会館などを利用して行っている。パンジーの当事者がリーダーとなり、一回ずつテーマや内容(嬉しいこと、悲しいこと、自立のことなど)を決めている。参加者の希望を取り入れながら、「なかよくなる時間」と「ききあう時間」を組み合わせて行っている。毎回約十数名の参加者が集まり、2グループに分かれてやっている。10月には自主講座「たんぽぽピアカン」(1泊2日を2回)を行い、2回目の講座経験を希望する6名が参加。新しいリーダー誕生につながった。
また、今年度も、大阪の身体障害者ピアカウンセラーの人たちが、当事者リーダー・参加者のサポーターとして7〜8名が関わり、より多くの当事者がピア・カウンセリングに参加・継続できる支援が確立している。
大阪府の知的障害者ピア・カウンセリング講座では、4日間の講座を3月に開催し、8名の参加者があった。パンジーの当事者リーダーに新しい外部のリーダーも加わり、リーダーの分担やプログラムの内容などを自分たちで決め、自信につながる経験を積み重ねている。
4.就労支援
・障害者就業・生活支援準備センターの受託準備を進めてきたが、東大阪市社会福祉事業団に決定したことを受け
て方針変更をしながら進めてきた。相談で受けた人の就労支援・職場開拓などの支援についてはこれまで蓄積の
あるセンターと連携していき、パンジーの当事者で就職した人やこれからめざす人の支援については、パンジーの
支援者で進めていくことにした。
・新しく始めた協力機関型ジョブコーチについては、非常にニーズが高くフル稼働で活動した。初めて出会う当事者
の人を支援するという難しさがあるのだが、1年目にして10人近くの当事者の支援に関わってきた。大阪障害者職
業センターの活動実績によるとジョブコーチに支援によって就職した方、継続した方の割合は9割近くになるという
ことだ。来年度はもう1人配置することも検討している。
・ジョブサポーター制度は3年のモデル事業で来年度で終了予定だが第1期から第4期まで1人ずつ派遣先事業者
として受け入れてきた。主に企業内授産の支援をしてきたが、半年で終了することもあり、どのような活動をするか等
位置づけが難しいという課題がある。一方、就労が困難と言われる人の職場開拓を進め、Kさんのアルバイト就労に
つながったのは成果だと言える。
・就労者のフォローアップや授産支援者の就労支援への関わりなどが課題として残った。
5.グループホーム
<達成できた事>
@緊急時の対応マニュアルを作成し、各グループホーム間で緊急時の対応が確認された。
A嘱託世話人を配置したことにより、各グループホームの支援体制の安定化が計られた。
B朝ミーティングを実施することにより、支援者全体のコミニュケーションが計られ、メンバーの支援充実に つながった。
C盆、正月休みの支援体制もある一定整えることができた。
<課題として残った事>
@パンジー外の入居希望者を受け入れたが、途中で辞めることになってしまった。入居者のニーズの把握 が不十分であったこと、日中の活動場所との連携が不十分で生活を24時間トータルで見れなかった。
A当事者の自治会活動、地域活動への積極的な参加ができなかった。
B入居者同士の交流がうまくいかなかったグループホームがあった。
C嘱託世話人の具体的役割、責任の明確化ができず、介護者との違いが曖昧なまま残った。
5 はっしんきち ザ☆ハート
1.「よかったこと」「できたこと」
・年間を通じて仕事が埋まっていた1年であったが、当事者ペースで動くことのできた1年であった。
・多くの運動を通じて、今まで経験してきた人は、より具体的な運動のイメージを持つことができ、また新しく入った人
は、運動の大切さを感じていくことができた。
・全国で様々な人と交流をすることができた。中でも、ピープルファースト大会のために、サン・グループ事件の被害
者の人たちにインタビューしたことは、今までパンジーとしてサン・グループ裁判を応援してきた経緯の中で、総括的
なことだった。応援してきたことが伝わっているから、被害者も話をすることができ、またパンジーの当事者が事件を
許せないという思いが強くあったからこそ、それを受け止めることができた。
・「ピアカウンセラー派遣事業」において、ハートの当事者2名がピアカウンセラーとして金剛コロニーへ派遣できるようになった。
今年度は相手方の都合もあり、講座は2回しか開催できなかったが金剛コロニーとは、以前から何らかの関係を持ちたいと模索していただけに今回の機会をどんどん次につなげていきたい。
2.「反省点」
●個人支援のあり方
・個人が主役になれる場を作れなかった。
・役割のない当事者からの不満の声が聞かれた。
・その結果、当事者が達成感を得られる機会が少なかった。
●職員間の連携
・役割担当が十分でなかった。
・「なあなあ」の環境があった。
・その結果、段取りの不手際が目立った。
●当事者運動
・「ピープルファーストジャパン」事務局として、当事者が積極的に関われなかった。
・その結果、当事者が置き去りにされた。
●日課
・予定が埋まらなかった分を放置していた。
・その結果、当事者の居場所が「ふわふわ」していた。
6 障害者運動
1.当事者運動の支援
(1)ピープルファースト大会
11月29,30日、滋賀県・大津市(大津市民会館を中心に)にて「第10回ピープルファースト大会IN滋賀」が開催された。参加者は約1200名だった。ザ☆ハートからは全国実行委員として当事者4名が大会の運営に関わった。当日パンジー、パンジーU、デイサービス、ザ☆ハートからは、約80名の当事者と職員が参加した。
(2)ピープルファーストジャパン設立準備委員会
全国組織をつくるための組織を、事務局となっているハートを中心に応援してきた。会則づくりの話を中心に、ピープルファースト運動の大きな柱でもある「仲間とともに支え合う」ことを大切にし、全国各地で人権侵害事件に取り組む仲間を応援するために、北海道・東京などにも駆けつけた。
12月の「グループホーム・ホームヘルプ支援費単価引き下げ問題」では、厚生労働省との折衝において、「白紙撤回」を勝ち取った。パンジーからも約40名が東京へ行き、厚生労働省前において抗議行動をおこなった。
(3)ピープルファースト大阪
1年を通して継続的な活動をすることができたが、11月に堺のビッグ・アイにて開かれた「グループホームの集い」では、大きな役割を担って成功を収めることができた。その他の活動として、「府立施設再編問題」に関する大阪府との交渉や、介護保険制度と障害保健福祉施策の統合問題についての勉強会などに取り組んだことが特筆してあげられる。
(4)当事者参画
大阪後見支援センター運営委員会は、事務局の判断により今年度は開催されなかった。東大阪市新障害者プラン策定小委員会は、当初は03年9月にまとめる予定が04年2月にまで延長された。この2つの委員会の委員でもある生田さんからは、新障害者プランの会議において、特に後半は入所施設に関することに時間がとられたので、当事者の代表として「施設をなくして、グループホームをつくるように」との提起が再三にわたってされた。東大阪市とつばさグループとの交渉においても大きな問題として取り組まれ、その成果もあり、「入所施設をつくる」ということを撤回させることができた。
2.外部団体との協力
・障大連関係
障大連には引き続き、パンジーとして団体加盟している。障害者の置かれている状況や制度の学習等の場として、昨年度も、様々な部会や、対大阪府オールラウンド交渉、厚生労働省抗議運動に参加した。特に昨年度は、措置制度から支援費への移行が行われたり、その混乱に乗じて、グループホームの支援費の引き下げが画策されたり、障大連との連携も例年以上に必要となった一年であった。また、知的障害者のグループホームへのホームヘルパー派遣問題、入所施設からの地域移行など、パンジー側からの情報発信も重要になってきており、障大連への受け身ではない関わりが必要になっている。
・全障連 今年度は大会もなく特筆すべき取り組みはなかった。
・東大阪市交渉
2月19日(木)東大阪市立総合福祉センターにて、つばさグループ対東大阪市交渉を行った。今年度は大阪府の大規模施設再編に伴う、市内の入所施設建設計画をなんとしても撤回させるために、白熱した交渉となった。参加した当事者からは、「施設には住みたくない!」「施設よりもグループホームをもっと作れ!」という声が多く上がり、東大阪市の地域移行に対する考え方の甘さを痛烈に批判し、その上でグループホームの市営住宅利用など、地域で生活についての具体的な提起をした。
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